一般社団法人設立


一般社団法人の設立については以下の条件が必要となります。

  • 法人の活動内容は問われず、登記だけで設立が可能
  • 社員2名以上で設立ができる
  • 理事は1名以上必要
  • 設立時に有する資金・財産がなくても設立が可能
  • 社員、社員総会及び理事は必ず必要
  • 理事会、監事、会計監査人を置くことができる
  • 基金制度を設けることができる(定款での定めが必要)
  • 原則課税(普通型一般社団法人)と原則非課税(非営利型一般社団法人)の2種類の法人形態がある

一般社団法人の設立条件について・・・

社員は最低2人、理事を1人以上置く必要があります。
社員と理事は兼任できますので、法人のメンバーとして最低2人以上いれば資本金0円でスタートできます。
資本金もなく、2人から設立できますので、難しい条件はほとんどありません。
社員には資格の制限等はなく誰でも就任できますので、夫婦で設立も可能です。
一般社団法人は行う事業内容も制限はありませんから、株式会社などの営利企業と同様、公序良俗・法令に違反しない限りはどんな事業でも行うことが可能です。
一般社団法人の名称、事業目的、所在地等を決めて社員で定款を作成し、公証役場で認証を受けた後に管轄の法務局へ設立登記の申請を行うことで設立は完了します。


②法定実費について・・・

定款認証手数料が約5万円、登録免許税が6万円かかりますので、計11万円です。
その他、行政書士や司法書士など専門家に設立手続きの代行をご依頼される場合は別途報酬が必要になります。


一般社団法人は従業員を雇えます・・・

雇用後は株式会社等と同様に従業員の社会保険や労働保険の加入等、雇用後の手続きが必要です。
一般社団法人法上の「社員」を従業員として雇用することも特には差し支えありません。

一般社団法人の役員報酬について・・・

役員報酬は定款への記載、または、社員総会の決議で決定します。一般社団法人の役員(理事や監事)の報酬は、定款で直接定めることもできますが、社員総会の決議で決めることが一般的です。
役員報酬の総額だけを社員総会で定めて、各役員に支払う具体的な報酬額については、理事会設置法人であれば理事会の決議において決めることになります。

一般社団法人の事業目的に制限について・・・

一般社団法人が行う事業目的に制限はありません。
公益事業に限定されることもありませんので、収益事業を行うことも可能です。
ただし、利益を分配すること=社員に剰余金や残余財産の分配を行うことはできません。
なお、一般財団法人を設立後に公益認定を受けて、公益法人を目指す場合には公益目的事業に該当する事業を行う必要がありますので注意してください。

一般社団法人は税金の優遇について・・・

一般社団法人は、株式会社等と同様に通常、全ての所得が課税対象になります。
しかしながら、一般社団法人の中でも「非営利型法人」の要件を満たせば、会費や寄付金・基金による所得は非課税対象となり、収益事業による所得のみが課税対象となります。
「非営利型法人」の要件を満たすことにより、税法上の優遇を受けることができます。

非営利型法人の要件について・・・

「非営利型法人」は、利益が出た場合に剰余金の分配を行わないことはもちろん、解散した場合でも手元に残った財産は国や地方公共団体等へ寄付することなどをあらかじめ定款に定めなければなりません。
また、理事の人数は3人以上置く必要があり、理事と親族である理事の人数は理事総数の3分の1以下であることも条件です。
会員の会費によって事業を行う「共益的活動を目的とする法人」では、上記の他、会員に共通する利益を図る事業を行うことを目的とし、主たる事業として収益事業を行わないこと、定款に会費の定めがあること等が必要です。

非営利法人について・・・

営利を目的としない法人を「非営利法人」といいます。非営利とは「利益の配当をしない」ことです。
例えば株式会社であれば利益が出ると株主に利益を配当しますが、非営利法人は利益(剰余金)が出ても社員に配当を行うことや残余財産の分配を行うことができません。
つまり、法人がいくら儲かっても配当がなく、法人が儲けるというような概念がありません。
ただし、配当をしなければいいだけですので、収益事業を行って得た利益を法人の活動費用や役員報酬等に充てることは何ら差し支えなく、基本的には自由に事業を行うことができます。

一般社団法人に向いている事業内容について・・・

共通の目的のために集まって活動する団体に向いています。非営利法人ですので儲けが主体ではなく、例えば任意団体を組織化したい場合や会員制の組織(協会、学会、同窓会)などを法人化する場合に向いている法人です。
もしこのような集まりが営利を目的としたいのであれば、株式会社や合同会社になります。
例えばボランテイア活動をしている団体を法人化したい、同好会やサークル活動などを法人化したい、学会や研究団体を法人化したい場合などに向いていると言えます。

資本金について・・・

一般社団法人には、資本金は要りません。
ですので、手元資金が少ない場合でも設立が可能です。
設立直後は法人には収入がありませんので、法人の活動を行うにあたって必要な経費は社員が負担します。
しかしながら、一般社団法人を運営していくためには、一定の資金が必要になります。
このため任意ですが、資金調達の手段として「基金制度」を設けることができます。

社員と理事の違いについて・・・

一般社団法人の「社員」と「理事」の違いがよくわからない人もいると思います。
簡単にいうと社員は「法人のオーナー」、理事は「法人を運営する人」です。理事は、社員総会で社員によって選任されます。
社員総会以外で理事が選ばれることはありません。
つまり、理事を選ぶ権利を持っているのは法人のオーナーである社員だけであり、社員の方が理事より立場が上だという事になります。

社員・理事に任期について・・・

社員に任期はありませんが、理事には任期があります。
理事の任期は原則2年()ですので、最低2年に1度は再度理事を選び直す必要があります。
任期が経過すると自動的に退任している事になりますので、同じ人が続投する場合でも法務局へ理事の変更登記の申請を行う必要があります。
逆に社員には任期はありませんし、名前が登記されることもありませんので、社員に変更(入退社)があった場合でも法務局へ登記申請をする必要はありません。
社員の変更(入退社)は定款の規定に基づいた法人内部の手続きになります。

理事の任期は、正確には選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会が終結する時までです。